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印刷会社社長の本棚

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世界の経営のど真ん中を体感することのススメ

2016.11.30更新

先日、サンフランシスコ・シアトルの企業を視察してまいりました。

総勢160名超の大視察団です。
自動車販売業や、住宅メーカー、介護法人、美容・エステ、飲食業等々の経営者・経営幹部、そして当然我らが印刷業経営者といったメンバーです。
業界の慣習にとらわれず、非常に楽しく、勉強になった視察でした。

視察した企業は、下記の通りです。
・ボーイング(航空機製造)
・スターバックスリザーブ(コーヒーチェーン)
・Amazon books(通販・小売り)
・Google
・スタンフォード大学
・Box(クラウドサーバー)
・Chat work(業務用チャットシステム)
・Final code(セキュリティシステム)
・エイラネットワークス(IoTプラットフォーム)
・IDEO(デザインコンサルティング)
等々です。

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まず、なぜサンフランシスコ・シアトルの企業を視察したのか?
それは、「現在の世界の経営のど真ん中がサンフランシスコ・シアトルにあるから」です。

世界時価総額ランキングを見てみましょう。
1.Apple 6090億ドル
2.Alphabet 5430億ドル
3.Microsoft 4480億ドル
4.Amazon.com 3960億ドル
5.Facebook 3680億ドル

トップ5は上記の通りです。
Alphabetというのは、Googleの持ち株会社です。つまり、Googleです。

彼らの創業、そして現所在地は、全てサンフランシスコ(シリコンバレー)とシアトルなのです。
今からお伝えすることは、あなた様にとっては、遠い異国の地アメリカの超最先端の企業の事例ばかりです。日本の最先端ではなく、世界の最先端です。

この手の話をすると、
「日本とアメリカは違うから・・・」
「○○だから、できるんでしょ」
「業界が違うから・・」
といった声が多く聞こえそうです。
実際に、一緒に視察した方の大半が最初はそうでした。

しかし、どうでしょうか?
先ほど紹介した世界時価総額ランキングの上位5社がサンフランシスコ・シアトル出身ということは、現在の経営手法のど真ん中はここにあるという事実なのではないでしょうか。
残念ながら、トップ30までに日本の企業は入ってきません。
トヨタ自動車が、31位にランクインしています。
しかし、中国企業は香港を含めると、アリババを始め、トップ30までに5社ランクインしています。この事実を認め、上位企業から素直に学び、経営に生かしていくことが大事なのではないかと思っています。

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また、皆様はこの事実をご存じでしょうか?

「明治維新前後の有名な偉人の中で、西郷隆盛だけは海外を見ていなかった」
これは、私の船井総研の大先輩が言っていた言葉で、今も私の心に深く残っている言葉です。
明治政府の岩倉使節団が海外に長期視察に行っていた頃、西郷隆盛は留守番役として政府にいました。

結果、海外を視察し、大きな時流を掴んだメンバーは、その後も明治政府で新しい日本を作るメンバーとして活躍し、一方で力も人望もあったが、時代を読み違えた西郷隆盛はその後、西南の役で非業の死を遂げることになります。

ちなみに、岩倉使節団の団長である岩倉具視は、日本を出発する際は髷に和服という出で立ちでしたが、視察中に、「これから国の代表がこんな格好では後進国の扱いを受ける」ということで、視察中に髷を落とし洋装に変えたとも言われています。
海外を見るということがどれだけトップの彼に刺激を与え、その後の判断や行動をかえるきっかけになったか想像に難くないと思います。

そして、タイムマシーン経営という言葉はご存知でしょうか??
タイムマシーン経営とは、海外のビジネスモデルを国内にいち早く持ち込む経営手法のことで、ソフトバンクの孫正義社長が命名したと言われています。代表的なところでは、何の実績もなく設立間もないアメリカのYahoo! に2億円出資し、その後日本でYahoo!JAPANを立ち上げ、インターネットビジネスにおける主導権を握っていきます。また、中国のインターネット通販のアリババが創業した翌年に20億円を出資し、その後アリババはニューヨーク証券取引所に上場し、株主のソフトバンクは莫大な含み益を手にします。

分野にもよりますが、海外、特に欧米では日本の3年は進んでいます。欧米でヒットしたものは日本に遅れてやってきます。ここで言う日本は東京のことです。地方となると東京のさらに2年は遅れてやってくるので、欧米のモデルは地方の5年先になります。

昔、マイケル・J・フォックス主演の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」という映画がありましたが、そこでは車型のタイムマシーンに乗って未来に行くことができました。もしも、日本でこれから起こることを目の前で見て、体験できたとしたら・・・いいですよね。
車型のタイムマシーンはまだこの世の中には存在していませんが、日本の近未来を見るということについては、アメリカを見ればOKなのです。

さて、本題に入ります。
先ほど挙げた企業視察の中で、各社共通して出てきた言葉、つまりキーワードがあります。
このキーワードの意味を理解し、自社の経営に生かしていくと良いと思います。

キーワードは、下記の通りです。
・Innovation
・Experience
・Employee Satisfaction
・Poison
・Mission
・Design
・Eco System
・IoT
です。

上記を一緒に見ていきましょう。

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ボーイングのエバレット工場を拝見した際、ワシントン大学のジーン・チョイ教授の講演を拝聴する機会に恵まれました。
世界の最先端の企業は、みな「Innovation」を起こしているとおっしゃいます。

イノベーションが起こる源泉は、常に新しいアイデアが必要だとおっしゃいます。
分かりやすく言えば、「もっと○○した方がいいのではないか?」、「普段、こんなことで困ってるよね。もっとこうならないかなぁ」という普通の生活で困っていること、仕事をしているうえで、不便を感じていることに対するただただ単純な疑問・違和感を放っておかず、それらを解決するためにあれこれ試行錯誤することです。 しかし、ここで出てくるのが、「でも、業界常識では・・・」とか、「今いる社員はどうするんだ・・」といった、こうしたイノベーションを起こす際に壁が立ちはだかります。
所謂、「イノベーションのジレンマ」です。
しかし、そういった壁はいったん無視して、とにかくアイデアを考えることが大切だとおっしゃいます。

チョイ教授は、こうおっしゃっていました。
イノベーションが起こる理由は、「速い決断」と「多くの人による決断」があるからだと。
また、イノベーションが起こる企業には、3つの共通点があるとおっしゃっています。
① 社長の好奇心、
②データ収集とそれに基づいた決断、
③実験が多い=失敗に寛容的
という3点です。

そのためにも、アイデアを創出する時間が必要だとおっしゃっています。
フォーブスにランクインしている企業のアイデア創出時間は、4か月間、つまり年間、約3000時間と言われています。 ですから、まず皆様にしていただきたいことは、日常業務から解放され、未来のことを考えることができる時間作りとデータ収集ではないでしょうか。

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エクスペリエンスとは、「体験」のことを言います。
ここで、特に大事なことは、User Experienceのことです。

つまり、お客様に特別な体験をしていただくことを言います。
あなたの会社を利用したお客様は、どのような体験をしていただくのでしょうか?

または、あなたは会社や商品・サービスを通して、お客さまにどのような体験をしていただこうとしているのでしょうか?

スターバックスの世界でまだ1店舗しかない、超高級業態である「スターバックスリザーブドロースタリー」を視察する機会に恵まれました。
1杯600円~2000円のコーヒーを販売するお店です。
スターバックスのミッションは、簡約すると、「1杯のコーヒーを通じて、人を幸せにすること」です。
1杯のコーヒーを入れるために、バリスタがエスプレッソが良いのか、ドリップが良いのか、その豆に適した飲み方をアドバイスしてくれます。
そして、約10-15分かけて、1杯のコーヒーを入れてくれます。その間、ただ入れるのではなく、コーヒー豆の原産地や特徴等の説明をしてくれたり、コーヒーの歴史を話してくれたり、会話を楽しめます。 そんなコーヒーを入れてくれるバリスタは、世界中の優秀なバリスタが招集されています。
そして、後ろには全世界へ輸出されるコーヒー豆のロースト工場を見ることができます。
彼らは、コーヒーに関わっている人の全てを表現したいとおっしゃっています。

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さて、あなたの会社はどうでしょうか?

印刷物を提供するにあたって、価格競争でなげいていらっしゃいませんか?
逆に、あなたの会社のこだわり、紙の歴史や印刷の歴史、そして印刷に関わっている方等々の説明をすることができるのではないでしょうか?
私は、納品物の箱に「私が印刷しました」、「私がデザインしました」という「写真と名前入りメッセージカード」を同封した方がよいと考えています。自身の名前と顔を入れることにより、責任感が出るからです。 お客様に対する「あなたの会社ならではの体験」。

是非、簡単なことからでも構わないので、考えてみてください。

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2011年から、アメリカ企業視察を繰り返しさせていただいているのですが、彼らほど社員満足を重視している企業は無いなぁといつも感じます。
会社として、いい業績を上げるために、社員にベストパフォーマンスを発揮してもらう必要があります。
そのためにも、社員満足度を重視しています。

具体的には、社員食堂やリラクゼーションスペース等です。
そして、その根本にあるのは、「Trust」です。つまり、信頼です。
社員への信頼が最も社員のパフォーマンスを向上させると言い切ります。
逆に、所謂「ファイアー」のイメージが強いとも思います。
それも、当然のようにあります。

しかし、我々が思っているニュアンスと少し違うようでした。

彼らのファイアーの対象は、能力のない人財ではありません。
会社に悪影響を与える人財が対象でした。
能力が高くても、会社に悪影響を与える社員がファイアーの対象であり、能力のない人財は、部署移動等を行い、適材適所で社員の能力を開発していくといいます。

特に感じたのは、「社員に対するマーケティング」をする必要があるということです。

マーケティングをProduct、Place、Price、Promotionの4Pでとらえたときに、社員に対するこの4Pを実施する必要があるということです。

まず、Productは、職種であり、仕事内容です。いかに、自身の能力を活用でき、成長できる職種、そして仕事内容を与えるかです。 そして、Placeは、働く環境です。会社の立地やオフィス環境を良くしていくことがとても大事です。 そして、Priceは適正な給与です。あくまでも、適正であることが大切であり、納得感をかんじていただく給与の設定が大事になります。 そして、社員に周知徹底させるための社員に対するPromotionが大切になります。

インナーブランディングという言葉がありますが、表彰制度や社内報、そして社員間ボーナス等々の施策が考えられます。
ニワトリが先か、卵が先かの話になりがちですが、今の時流は、どちらかといえば、お客様の満足は当たり前で、社員満足度の向上に重きを置くような時代になりつつあります。

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今後、2-3年後、日本にもやってくるだろうビジネスは、IoTマーケットです。

IoTとは、「Internet of Things」の略であり、モノがインターネットにつながることを言います。
例えば、車や冷蔵庫等々のモノが全てインターネットにつながる世の中がやってきます。
先にも挙げたように、世界の最先端の企業は、とにかく「データ重視」です。IoT化することで、どのようなことが起こるのか。

それは、「どんな人が、いつ、どこで、どんな機能を、どうやって使ったのか」ということが、全てデータで分かるようになるということです。 ですから、商品開発コストが下がり、なおかつ売れる確率が上がり、そしてプロモーションの内容も的確になっていきます。

これらのデータを取れるシステムを開発する企業がこれからメーカーの商品開発のど真ん中に来る時代が来そうです。

つまり、今までは商品企画~販売までの全てを1社が行う垂直統合型が日本のメーカーの基本でした。しかし、こういったシステムが普及することにより、メーカーは本当にモノを組み立てるためだけの工場となり、商品企画はIoTプラットフォーマーが、デザインは、デザイン会社が・・といったカタチで分業体制になっていく可能性が大いに考えられます。アメリカでは、完全に分業化が進んでおり、彼らはそれをECOSystem、つまり生態系という名前で進めています。 我々の業界においても、デザイン専門会社、企画専門会社、調査専門会社、印刷専門会社、システム構築専門会社というように、完全に分業化されており、それぞれがそれぞれの分野で独自技術を追求し、一つの商品・サービスを作り上げる際に、最高レベルの技術・アイデアを出し合い、最高の商品・サービスを完成させます。

Appleがメーカーという立場でありながら、商品の組み立ては外注しているのは有名な話です。

さて、我々はどのマーケットで技術を追求していきましょうか。
これから5-10年先を考えたときに、今から考える必要がありそうです。

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担当コンサルタントより

岩邊 久幸

株式会社 船井総合研究所
シニア経営コンサルタント
中央大学商学部卒。船井総研に入社以来、幾多の小売店、サービス業のプロジェクトを経験し、現在主に広告業界を中心にコンサルティングを行う。
年間250日超を現場における業績アップ支援に充て、全国を駆け回る。BtoB見込み客集客では船井総研でも評価が高く、その成功率は極めて高い。机上の空論ではなく、即実践でき、即業績アップする手法にクライアントからも評判が高い。

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